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【特集】伝統工芸品の魅力

信越自然郷に残る伝統工芸

時代の変化のなかで磨かれ、伝えられた伝統工芸品の技術や技法は、信越自然郷の宝です。そうした匠の技は、今なお地域の職人たちによって守り伝えられています。

内山紙(木島平村・飯山市)

コウゾ(楮)のみを原料とし、通気性、通光性、保温力に優れた強靱な手漉きの内山紙。製造工程で雪にさらして自然に漂白することで、日焼けしにくく長持ちすることから障子紙の代名詞となっています。木島平村や飯山市などの奥信濃で製造が盛んになったのは、豪雪地帯の農家の冬季の副業に適していたことや、強靱な障子紙は需要が高く現金収入に結びついたこと、コウゾを雪にさらすために雪が役立ったことが挙げられます。時代の変化に伴い、多大な労力がかかる手漉き製造は生産効率が悪いとされ、少しずつ生産者が少なくなりながらも、残った生産者たちが350年余続く伝統を守っています。

 

信州打刃物(信濃町)

約450年前の川中島合戦の際、武具や刀剣類の修理のために越後から信濃町に移住してきた鍛冶職人から里人が技術を習ったのが信州打刃物のはじまりといわれています。その技は農具や山林用具作りに生かされ、改良を加えながら伝承されました。信州打刃物の特徴は、鋼(ハガネ)部分が極めて薄く、切れ味がよく、使いやすくて耐久性に優れている点です。草が根元から刈れ、しかも刈り取った草が手元へ寄せられてくる効果をねらった「芝付け」加工や、刃を薄くしても手元が狂わないよう刃面を内側に湾曲させる「つり」加工など、独特の工夫もなされています。

 

猫つぐら(栄村)

「つぐら」とは、その昔、農家で子守のために使われたお椀型のゆりかご。それを猫用に改良した「猫つぐら」は、保温性が高く通気性が良いため、夏は涼しく冬は暖かい猫の快適な住まいです。栄村では、明治時代に稲作とわら細工作りが始まりました。猫つぐらは大正時代には農家の間で作られていたといわれていて、時代を経て改良が重ねられ、現在のドーム型が一般的となりましたが、ほかにも円筒形などが見られます。昭和62(1987)年からは村の特産物として作られていて、現在は10数名の生産者がいるほか、村をあげて技を引き継ぐ講習会も開催されています。

 

飯山仏壇(飯山市)

約450年前の川中島合戦の際、武具や刀剣類の修理のために越後から信濃町に移住してきた鍛冶職人から里人が技術を習ったのが信州打刃物のはじまりといわれています。その技は農具や山林用具作りに生かされ、改良を加えながら伝承されました。信州打刃物の特徴は、鋼(ハガネ)部分が極めて薄く、切れ味がよく、使いやすくて耐久性に優れている点です。草が根元から刈れ、しかも刈り取った草が手元へ寄せられてくる効果をねらった「芝付け」加工や、刃を薄くしても手元が狂わないよう刃面を内側に湾曲させる「つり」加工など、独特の工夫もなされています。

 

あけびつる細工(野沢温泉村)

江戸時代から背負いかごや花かごなどの生活必需品として作られ、大正時代には旅行用バスケットとして広く親しまれてきた野沢温泉村のあけびつる細工。材料となる「あけびつる」は毎年10月から11月に奥信濃の山地から採取し、手入れをしてから編む篭の種類によってつるを選別して、村内の源泉・麻釜(おがま)に浸して柔らかくしてから編まれます。このあけびつる細工のなかでも、鳩に車輪が付いた可愛らしい玩具「鳩車」は全国的に有名。つるつるとしていて手触りもよく、軽くて丈夫で年月を経ると独特の艶が出てきます。昭和59年には県の伝統工芸品に指定されました。

 

秋山木鉢(栄村)

江戸時代末期頃から栄村・秋山郷で生産されてきた県の伝統工芸品。地元で算出される栃の大径木を用いて、何種類もの手斧や刃物を使い分けて手彫りで作られた木鉢(こね鉢)で、50cmを超えるものも生産されています。日用品としてそばやうどん、あるいは栄村特産品の「あんぼ」を練るときに使われており、内側には粉が貼り付かないようにタテ状の細かい目が刻まれています。なお、今は栃の古木の入手が難しく、技の継承者も和合地区に残る一人となってしまったため、大変貴重なものとして、全国の料理人から注文が寄せられています。

 

須賀川竹細工(山ノ内町)

志賀高原に自生する「根曲り竹」を使用した実用的な竹細工。「日本民芸館賞」に選ばれ、長野県伝統的工芸品にも指定されています。山ノ内町須賀川地区で江戸時代から作られ、ざるや魚籠(びく)、かごなど、生活のあらゆる場面で使われてきました。「根曲り竹」とは信越自然郷の山地に群生する細い竹で、その名の通り根元が曲っているのが特徴。竹は背が低い竹薮をかき分けながら手作業で刈り取り、1本を手作業で4つに割って竹の角の部分を取る「面取り」を行い、逆さ八の字に組んだ2本の小刀に竹をはさんで引いて編み上げます。町内では公民館活動によって、約30年前からこの技法が復活しています。

 

なかの土びな(中野市)

中野市に伝わる郷土玩具・中野土人形は、古くから「土びな」とよばれて親しまれてきました。この中野土人形には2つの系統があり、江戸時代末期から継承される奈良家制作の人形は伏見人形を原型としたものが多く、主に縁起物や風俗物が作られています。一方、西原家で制作されている立ヶ花人形は、明治時代に三河の瓦職人の指導により創始され、歌舞伎を題材とした人形を中心に制作されています。このように同一地域で2系統の土人形があり、昔ながらの伝統技法で今も制作されているのは全国にも珍しいとされています。

 

信越自然郷 手しごと展 開催中

飯山駅観光案内所では「信越自然郷手しごと展」を開催しています!
昨年、大好評をいただいた手しごと展。信越自然郷内でモノづくりをされている職人さん・作家さん方のご協力のもと、このたび第2弾の開催が決定しました。

普段はあまり手に取ってみる機会がない伝統工芸品を、実際に触り購入できるチャンスです。

旅行で来られた方はもちらん、近隣にお住いの方も、ぜひこの機会にJR飯山駅に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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期間:令和3年7月3日 (土)~令和4年1月30日(日)
8:30〜18:00(案内所営業時間内)
会場: 飯山駅1階 飯山駅観光案内所
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日本有数の豪雪地帯として知られる「信越自然郷」。
この地域には、雪国という厳しい自然環境から生み出された伝統工芸品が数多く存在します。
先人たちの知恵によって暮らしとともに育まれたその品々は、現在に受け継がれ、今も愛され続けています。色濃く残る伝統文化を反映した、雪国の温かみのある作品たちを一堂に集めました。